中国越境ECインサイト分析-中国「ファースト」が切り開く化粧品市場の未来

　世界においても化粧品市場が第2位の中国、また更に拡大し続けている。その市場を求めて世界から強大なライバルが集まり、市場競争も激化している。

　そうした大きな中国市場に向け、FEBEA(フランス化粧品・トイレタリー企業連合)の発表によると、化粧品の輸出先については中国が2年連続でトップになっているという。しかも、中国への輸出は19年比で56％伸びた。中でもカラーコスメの需要が高く、現在フランスのリップスティックの3本に1本以上は中国に輸出しているという現状。また、下記の図で示した通り、インフルエンサー・マーケティング領域における人気SNS-レッドブック(小紅書)の2023年２月の発表によると、最も影響力の高いカラーコスメブランドのトップ3はシャネル、ディオールとサンローランで、フランス系一色。

　また、化粧品領域において、中国の売上の４分の３弱はEコマースによるもの。その中に、輸入品から見ると、日本と韓国からのものは大半で、その次はフランス、アメリカ、イギリスからのだ。

　2019年から新型コロナウイルスの感染拡大によりアパレルや家電用品をはじめ、中国への輸入品が軒並み減っていた。一方、売上から見ると、その中で2020年１月〜１０月化粧品が前年同期比5.9％増の2,569億元(約５万億円)と好調に推移した。また、下記の図から同期はすでに前年を上回り、輸入額は160億ドル(約２万億円)に近いことは分かる。そして、国別から見ると、2019年直前、韓国→日本→フランスというランキング順番、その後、日本→フランス→韓国と日本はトップに転換。今後、更に伸び続くと見込まれる。

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